マシンラファエロ・ジェット機

「≪ああ!ジャン・ルイがやられた!≫
そんな空戦のマシンミューテーション御紹介2つめはこちら!
マシンラファエロ・ジェット機!
タートルズの1人、ラファエロがジェット機にミューテーション!!」
「ふむふむ、パーツ構成からするとこれはF-14 トムキャットのようね。
でもなんかモコモコしてて締まりがないけど。」
「ビークルもアメコミスタイル!
しまりがないのではなく、漫画的なゆるさを驚異の技術で立体化です!」
ああ、なるほど、発想の逆転ね。
たしかにタートルズのメカ描写はゆるかったものねぇ。
メカに限らなかったけど。

でもそう考えるとパーツ構成は逆に良く出来てると思えてくるわ。
可変翼や着陸脚、噴射口なんかまでちゃんとあるし。」
「ラファエロの頭部がコクピットの場所にあって、搭乗している状態の漫画的な表現を立体で再現しています。」
「って、見事に前回と同じような会話ね。(^△^;)」
「そうは言うがな、教授。
ゲフンゲフン、
いや、同じシリーズのものなんで仕方ないですよー。(^^;ゞ

さて、今回のジェット機には私の好みで付属のシールを貼ってませんので参考にされる方は御注意を。
そして今回も追加パーツで武装できます!」
「うわー、ブースターにミサイルにキャノピーね!
そしてなんと言っても機首のサイ(釵)がサイコーにカッコイイわね!
ってなんで戦闘機の機首にサイなんて付けてるのよ?!
てかサイなんてそもそも忍者の武器じゃないじゃないっ!!?」
「ぐへぇっ!?
落ち着いてください教授!
それは雑巾ではなく私の首です!しぼっちゃダメぇ!!」
「そういや前回のヘリになるのは棒術の棍を持ってたわよね。」
「ええ、そのへんはキャラ固有の得意武器ですので。
ちなみにキャラごとに挙げますと、こないだのドナテロが棍棒、今回のラファエロがサイ、ミケランジェロがヌンチャク…」
「棍は中国棍法、サイとヌンチャクは琉球武術じゃないのよ!
もっと忍者らしいもの持ちなさいよ!?」
「ノーノー!ギブギブ!!
鼻の頭にカラシを塗らないでください〜!!(>_<、)゛゛゛

いやいやまだ続きがありまして、リーダーのレオナルドはちゃんと刀を持ってるんですよ!
同じ形で同じ長さのを2本。」
「それじゃあニンジャソードでもサムライソードでもなく中国の双剣じゃないのよ!!」
「タバスコはヤバいですタバスコはーーーっ!!

えと、とりあえずタートルズに限らずNINJAを事象として分析しますと、
アメリカ人はNINJAってのが日本固有のものだという認識が薄いようなんですよ。
だから沖縄式どころか中国式の棍法・大刀術・拳法や、
その他様々な国の暗器を操るNINJAってのがアメコミやアメゲーにはわりと登場します。
まあつまりは『アジア風の神秘的な暗殺者』ってのがあちらのNINJAに対するイメージのようでして。

で、そういうのが映画化されたりしてさらに間違ったイメージがなんとなーく一般に広まって
でも別段それを大々的に否定する声も上がらなかったりでなんとなーく混同されてる。
そんな感じなのが現代NINJA事情ですね。
このタートルズもその大きな流れのひとつでして。」
「うーん、アメリカでのNINJAってそんなことになってたのかぁ。
ここは正しい忍者たるもののイメージを…」
「昔の映画キャノンボールでジャッキー・チェンが乗ってた特殊機能満載の三菱の黒い自動車なんかも
ニンジャカーっていうイメージのようですからねぇ。
あの時代からこうなのでもういまさら手遅れです。(^^;ゞ
近年ではモータルコンバットシリーズやこないだのバットマンビギンズがさらにNINJAイメージの混乱ぶりに拍車をかけてますし。

それはさておきマシンラファエロ、ミューテーション!」


     
     
「背中の甲羅にジェット機の主要パーツを畳み込んで変形完了カワバンガ!」
「これもまたスゴい変形ねぇ。
長い機首や面積のある翼を途中で折ることなくこの体積に収納しきるとは。」
「そして今回もオプションパーツを組み替えて武装できます。」
「それにしてもフィギア時のバランス悪いわねぇ。
なんか前かがみになってるからちゃんと立たせてあげようとしたら、背筋伸ばすと後にひっくりかえるのね、これ。」
「ええ、バランス良くないですよ。
脚の長さが左右で違いますし。手足は付根しか動きませんからバランス変えられませんし。
でもそういう『いかにもなアメトイアクションフィギア』に『日本の変形ロボ以上の繊細複雑な変形ギミック』が搭載されているっていう
このアンバランスさがマシンミューテーションシリーズのスゴいところなんですよ!!」
「いや、だったらフィギアのバランスももっと良く出来るだろうって考えに…」
「いいですか、このアンバランスさはあの有名な長寿アニメの人気の秘訣『体は子供、頭脳は大人』のアンバランスさが生み出す作劇の妙と同じことがこの手にした身長約12cmのフィギアで遊ぶことで起きるということなのですよ!フィギア状態で遊ぶと動くとこが少なくて成型色むきだしの細かい武器がたくさんあってまさに大味なアメリカンアクションフィギア!でも変形させようとすると変形至上主義者であるこの蜆屋このはが手こずるほどの複雑でクリアランスぎりぎりの繊細きわまる変形ギミックが襲い来る!それはいわば時の元帥、東郷平八郎がいままさにロシアの無敵バルチック艦隊との開戦を…」
「(ほっとこう…)」
「さてこちらはパッケージ。
背景のほんわかした水彩タッチの空戦シーンが良い味出してますね。
この部分は元のアメトイ版のパッケイラストが生かされています。
で、パッケの右半分を占めるかっこいい感じのシャープなセルイラストは日本販売時に追加されたものです。」
「…かっこいい感じのシャープなセルイラストが
元のイラスト・トイの写真・ロゴデザイン・色彩設計などのあらゆる点でパッケから浮き立ってるわね。」
「あと本編のゆるいイメージともかなり違ってますね。
絵としてはイラスト集とか欲しくなるほどにかっこいいんですけど。

これのオリジナルは米Playmates社1994年のMighty MutantsシリーズのAirforce Mutation Raphael。
日本ではタカラ社から1995年にマシンミューテーションシリーズのマシンラファエロ・ジェット機として販売されました。
当時定価1680円。」
「それにしてもこのイラストのトムキャット形態、
派手なストライプや機首の大きなシャークティース(サメが口を開けたような模様)が
良くも悪くも子供のおもちゃって感じ抜群ね。」
「あ、ええ。
実は付属のシールをちゃんと貼ると今回御紹介した写真のトイもそんな感じに仕上がりますよ。
私は青むきだしのほうがアクロバット機みたいでカッコイイって理由で貼ってませんけど。(^^;ゞ

そして↓は発売前のパンフの写真です。」
「この写真からすると前回のヘリと今回のジェットは日本で発売するに際して
日本向けに現用兵器らしさを強調した配色が検討されてたみたいですね。
でも販売された日本版トイ本体は配色も仕様もアメリカ版と同じものです。
この写真のは文字通り幻のカラーリングですね。」
「へぇ、これは渋くてカッコイイわね。
こうして見るとビークルが実機の特徴をうまくとらえた造型をされてるってことがよくわかるわ。
これならちょっと欲しいかもね。」
「私もこの配色のも欲しかったですねぇ。
現物は素材とギミックの関係でリペイントにはまったく向かないものですから
自分で塗り替えようとは思えませんし。」
「でも結局アメトイのまんまの仕様で出たってことは
日本向けに下手にいじるよりはアメリカンな雰囲気のままで売ったほうが良いって判断されたってことなのかしら?」
「さあ?かっこいいセル画をかぶせたりしてますから、そうとは言い切れなさそうですけれど。
でも出来るだけアメトイのまんまで出すってのは『本物志向』を売りにするってことで一理ありますし、
だからと言ってアメトイのパッケや仕様のまんまでは日本の子供の趣向とはズレてますし、
色々と厳しい判断を迫られてたシリーズだったんじゃないかとは思いますねぇ。」
「そんなわけで今回はここまで。
次回お楽しみにー☆('▽')ノシ」
「ウウッ、すっかり締めの台詞を取られてしまいました。
それではまた次回お会いしましょう〜☆(>▽<、)/~」


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