ギャラリー其ノ七十五★
スーパーロボカー
今回はチープトイの御紹介☆G(>▽<)
マーク社(MARK社)から販売された「SUPER ロボ
CAR」。
ある程度おもちゃマニアをしている方ならほぼ知っているであろうチートイっすね。
昔「超攻速ガルビオン」っていう打ち切り終了になったアニメ作品がありまして
その作品としては製品化されていない可変ロボット達にそっくりというトイ達っす。
私が持っている今回御紹介の物は全部中古本体のみ。
こちらは「インディ」。
ガルビオンの「サーカスI」、「ガルビオン」にそっくりな超未来カーっす☆('▽'*)
そしてロボットに変形!
ボディは「ガルビオン」にそっくりなものの
頭部がガルビオンとはぜんぜん似ていないヒーロー的なデザインになっていてます。
このシリーズ、おもちゃ好きの間ではガルビオンのスポンサーだったタカトクが作った物だろうと推測されています。
その理由として、版権を持っていたのがタカトクだったこと、作りがタカトクっぽいこと、の二点が挙げられることが常です。
今回はせっかくなので、これについて私が独自に調べていたことをまとめてみます。
まだ煮詰められるとは思うのですが
一人で煮詰めていると焦げついちゃうかもしれませんので。(^^;ゞ
たぶんネットで見られる情報ではまだ誰も言及していないと思うんですけど
「SUPERロボCAR」の本体にある刻印は、実はマーク社ではないんですよ。
もちろんタカトクでもありません。
本体裏の刻印はこちら。
丸C、SELECT
1984
MADE IN JAPAN
万国著作権条約第3条第1項に基づいて表示する丸Cマーク、つまり「著作権者」名は「SELECT」。
1984年。
日本製。
これが読み取れる情報のすべてです。
つまりSELECTというのがこの玩具の権利者です。
SELECT社あるいはセレクト社というのは、マーク社みたいなチープトイ屋さんなのだろうかと考えても普通は思い当たらないと思います。
実際、そこらへんのおもちゃ屋さんでSELECT社が販売する玩具にお目にかかることは基本的にありえません。
事実から言うとSELECT社というのは間違いなくチープトイ屋さんです。
ただし日本のではありません。
所在地はニューヨーク。
当時のアメリカでは“CONVERTORS”(コンバーターズ)というシリーズタイトルで、安価な可変ロボトイの一大シリーズが展開されていました。
その販売元としてあちらのトイマニアの間では有名なところです。
そして、そのコンバーターズとして販売された可変ロボの中に
どう見ても日本アニメの既存キャラの物が何個もラインナップされていました。
ピックアップすると以下です。
マクロス(マクロス艦・バルキリー)、オーガス(オーガロイド・ナイキック)、ドルバック(キャリバー・ガゼット・タルカス)、
サスライガー(サスライガー)、ビートラス(ビートガドル・ビートバダム)、
そしてガルビオン(ガルビオン・エクスキャリバー・マルゴスペシャル・ゼクター)。
タカトクの版権作品だった変形アイテムがてんこ盛りです。
これらを含む数々の可変ロボットがアメリカではコンバーターズという安価な変形玩具シリーズとして販売されました。
アメリカではちょうどトランスフォーマーが大ブームとなっており、高価なトランスフォーマーを手に入れられない子供たちの間でとても人気だったそうです。
(※なお販売時のキャラ名や設定はもちろん元の日本アニメとは無関係な物になっていました。)
そして上記の中から私が現在までに刻印を確認できたオーガス、ドルバック、サスライガーではタカトクの刻印がそのまま入っています。
おそらくタカトクの廉価版玩具の金型そのもので製造されたものと思われます。
以上から、SELECT社はタカトクが作っていたこのサイズの可変玩具の金型の権利か、
もしくはその金型で生産された物の販売権を有していたとみて間違いないでしょう。
(※なおビートラスとガルビオンについては、実際にはタカトクからこのサイズの可変玩具が発売されたことはありません。
タカトクの倒産は、ビートラスのデラックス玩具の第一弾と思われるラインナップの発売が済み、次はガルビオンの発売か、という時期でした。
そして本家タカトクからはガルビオンの玩具は何一つ発売されることなくタカトクそのものが倒産してしまったのです。)
ここからは推測ですが、
タカトクがガルビオンのスポンサーだった以上、販売する予定でガルビオンの可変玩具を製作し用意していたと考えるのが自然です。
玩具メーカーがわざわざ出資してロボットアニメのスポンサーになっていたのですから。
そしてタカトクが生産する予定で用意していたガルビオンの金型の権利か、あるいはその金型で生産した物の販売権を、
その他のタカトク玩具の廉価版のそれと同様にSELECT社が得ることになったと推測することに不整合はないでしょう。
以上から、このスーパーロボカーはタカトクから未発売に終わったガルビオンの可変トイ廉価版の流用商品である可能性が高いと言えます。
…と、いうことで、これはタカトク製可変トイだったのだろうという説の補強を試みてみました☆G(>▽<)
で、上の展開だと「じゃあマーク社はどうしてSELECT社の玩具を売ってたの?」と思われることでしょう。
答はコンバーターズの台紙に記載されています。
コンバーターズの台紙には必ず以下の記載があります。
“Copyright SELECT,New York 1984 ALL RIGHT
RESERVED.”
で、今回取り上げているガルビオンらしきチームなど、特定の台紙の一番下にはもう少し長くこのように記載されています。
“Copyright SELECT,New York MARK,Japan 1984
ALL RIGHT RESERVED.”
「著作権者であるニューヨークのSELECT社、日本のマーク社がすべての権利を保有します。1984年。」
さらに“MADE IN JAPAN”。
つまり製造したのは日本のマーク社なんです、このシリーズ。
コンバーターズのためのSELECT社向けの生産と同時に、日本で販売するチープトイも作っていたというわけです。
そして1984年という著作権の表示。
タカトクの倒産も1984年。
タカトクが潰れた後の金型をマーク社が継いでチープトイを製造していたのだろうと推測されます。
(情報としての明確なソースは示せないのですが、
色々と聞いた話をまとめてみると、タカトクは玩具の生産を外注していて、廉価版可変玩具の製造・出荷はマーク社がしていたようです。
となるとタカトクが倒産した時にもタカトクの廉価版玩具の金型は当然マーク社が持っていて、そのまま権利がマーク社に移ったということなのかもしれません)
最後に、頭をガルビオンから変更したのは誰なのかについて考えてみましょう。
マーク社は自社製オリジナルチープトイとして「合金ロボ」シリーズなどを日本で販売していました。
それらもコンバーターズの一員として外国で販売されたのですが
それらの本体にはマーク社の刻印が入っています。(コンバーターズ版フォーカスロボで確認)
そして私が確認できた限り、タカトクロボの流用であるコンバーターズにはタカトクの刻印が入ったままであり、マーク社が自社の刻印に直した物はなかったです。
(時期がもっと後になってSELECT社ではなく販売元不明になった後のコンバーターズではタカトクの刻印が消されています)
以上からマーク社はコンバーターズ生産にあたって、既存の金型をわざわざいじることは無かったと推測されます。
とすれば、可変ガルビオンシリーズのタカトク製廉価版の金型が存在していたとして
その金型に会社名の刻印を入れ、頭部をガルビオンとは違う形に改修したのは、もう一方の権利者であったSELECT社の意向と思われます。
会社名の刻印を入れた時が改修のタイミングだったはずなので。
とは言ってみたものの、SELECT社ってのがこれまた実体がわからないんですよねー。(゚.゚)
1984-1985年の間にコンバーターズシリーズを販売したのみの会社だったようです。
まあチープトイの会社って、日本の会社でもよくわからないところばかりですし、それが外国のともなればわからなくて当然かもしれませんけれども。
そんなわけでこれに関しては「頭が変わったのはSELECT社の意向の可能性がある」ということが推測できただけでした。(^^;ゞ
想像してみても、ガルビオンの元デザインは結構無機質な顔してるので子供達にウケが良さそうなヒーロー的な顔に変更した、
というような理由が思い付くくらいですね。
本当のところがどうだったのかは闇の中っす。
余談になりますが、マーク社のチープトイの金型は後にジャム社に権利が移るようです。
後年、マーク社オリジナル設計のチープトイ達とともにスーパーロボカー(元ガルビオン?)とメカ昆虫ゼクトロン(元ビートラス?)の流用品も、ジャム社から発売されます。
ちなみにビートラスの流用品はジャム社からの発売になった時点で金型変更が加えられます。
カブトムシの前肢とロボ腕部の変形ギミックが簡略化され、バッタの胴体が短くスマートに変えられました。
この時点での元ビートラスだった物が、現在でも見かける昆虫ロボ型チープトイ達のバリエーションの原型となっているようです。
その後、未来昆虫、メカ昆虫、メカ昆虫伝説、メタルインセクト、バトル昆虫、などなど
販売元がジャム社でなくなった後もバリエが次々と作り出され、どれだけ種類があるのかを把握できてるのかどうかすら判断できません。
しかしこれ以降の物で確認できた限りでは、この段階で変更された変形方法とスタイルを継承している物ばかりです。
カブトムシ型はツノと頭部を変更することでヘラクレスやアトラスなどさまざまなカブトムシ、そしてクワガタムシへのバリエに発展していきます。
この手のチープトイのクワガタがなぜビートグガル(クワガタ)ではなくビートガドル(カブトムシ)のバッタモノなのかずっと不思議に思っていたんですけど
元になったマークの金型にそもそもビートグガルが含まれていなかったからだったんですね!
これを考察しててはじめて気付いたのでその感動のまま書き出してみました!濡(゚□゚;)(ぉ
そんなわけで「マーク社製チープトイに刻印されたSELECTの謎!タカトク廉価版トイの行方」の研究発表でした。(ぇ
スーパーロボカー 2
このはっす☆G(>▽<)
色々まとめて更新しようとした結果、何もまとまらないまま時間だけが過ぎていくというよくやる失敗をまたやってしまいまして…
あきらめてちょっとずつ更新します。(´△`;)トホホ
そんなわけで今回はSUPERロボCARの他のマシーンを御紹介☆G(>▽<)
超攻速ガルビオンの「ジョニースペシャル(エクスキャリバー)」のそっくりさん。
マーク社版の名は「デイトナ」。
SELECT社版では“D,A,Tona”。
このガルビオンそっくりなチームは4台とも
日本版でもアメリカ版でも同じ玩具には同じ名前が付き、名前のロゴも同じものが使用されていました。
パッケを彩る水彩で描かれたイメージイラストも同一の物。
ただし日本版は箱詰め、アメリカ版はブリスターパックでした。
この流麗な超未来カーが変形!
やったー!かっこいいー!☆G(>▽<)
変型前後ともスマートなシルエットを両立させるためにかなり大胆な変型をこなす秀作トイっす!
というかこれ、設定の変型がかなり無茶なんすよね。
当時の技術でこんなサイズでよくこれほどまでに再現したものと感心しきりっす。
もしもタカトクがデラックスな変型玩具を作っていたらどんな物になっていたんでしょうねぇ。(´▽`*)ポワワ
このトイにつきましては
ken-oさんの[MARIONETTE-MIND]の▼デイトナ(SUPERロボCAR)で新品箱入りがレビューされてますのでこちらも是非どうぞ☆G(>▽<)
質、量ともに貴重性抜群のレビューでうらやましいかぎりっす。
それではまた☆G(>▽<)
スーパーロボカー 3
このはっす☆G(>▽<)
そんなわけでサクサクッと更新をば!
今回は「サーカスIII」、「ゼクター(ガルビオンII)」のそっくりさん。
マーク社版の名は「モンティカルロ」。
SELECT社版では“MontyCarlo”。
このへんの関係は前回のと一緒です。
ちなみにゼクターはベクターがモチーフになってます。
名前も外見もよく似てるっすね。
そしてこの超未来カーが変形!
スーパーロボカーにおいては実はこのモンティカルロこそがメインキャラ。
ラインナップの1番になっています。
超未来カー形態は、他の3体のSFマシーン達と違っていかにもスーパーカーらしいスーパーカーなデザインですし、
ロボット形態もオーソドックスなヒーロー体型でまとまりが良いですからね☆('▽'*)
まあそれゆえに、4体並ぶと他のが凄いハッタリがきいてて派手で、この子はどうもパッとしないって状態になるんですけど。(^^;ゞ
ちなみに後にジャム社からこのシリーズが発売された時には全3種になりこのタイプだけラインナップから外されました。
地味だったからかなぁ。
そんなわけで自動車のベクターがモチーフの変型ロボという点だけでもものすごく珍しいロボ。
しかもジャム版では発売されなかったので入手難易度も他のに比べて高いというレアロボでした☆G(>▽<)
スーパーロボカー 4
このはっす☆G(>▽<)
SUPERロボCARもこれで最後。その名は「エックス」!
現実の自動車テクノロジーではまったく理解がおよばないスピリッツオブワンダーな構造の超未来カー!
この超未来カーが変形!
マーク社版の名は「エックス」。
SELECT社版では“X”。
今回は「マルゴX」という人が乗る「マルゴスペシャル」になんだか似てるロボ。
どうもこれだけはそっくりと言うほどには似てない気がするんすよねー。爪先が二股じゃないし。(゚.゚
)
「マルゴスペシャル」は車形態だとたしか6輪で、リアウイングは無く大砲が生えていて、
腕部はこのトイのように肩ブロックに収納する変型ではなく車輌側面に出てたはず。
ロボットの体型もこんなスマートじゃなくてもっとズッシリと太く…そう、オモチャで例えるとちょうど「超機甲爆走ロボトライ」みたいなスタイル。
とは言え、車体が双胴っぽく、前輪よりも前のかなり上にコクピットがある異様なスタイリングは「マルゴスペシャル」以外にはありえない訳なんですが。
まあチープトイではちゃんとした番組の主役ロボでも訳のわからない物体に変型させられてることがよくあるので
そういう感覚で見れば似ているんですけどね。(^^;ゞ
そんなわけでガルビオンシリーズにそっくりなスーパーロボカーでした☆G(>▽<)
・ ・ ・
さて、ここんとこガルビオンめいたお話だったので、せっかくだし今後語る機会もなさそうな調べ途中の話もしてみます。
いずれ事実の輪郭が見えたらまとめて発表したいものなのですが、すでに私が手を尽くせるルートでは手詰まりになってる気もしますので、
事実を知ってる方からの情報を期待したり、あるいは調べている方のヒントになれば良いなと思い、ここに書き出してみます。
なお結論は「どうにもわからないという事だけはわかった」となるだけなので、興味ない方はスルーしてもまったく損はないのでスルー推奨で。
さて『超攻速ガルビオン』らしき可変トイと言えば、スーパーロボカー以外にもう一つ、有名なオモチャがありますよね。
浅草で売られていたという完全変型の「サーカス1」「ガルビオン」のそっくりさん。
この、正式には発売されていないのになぜか存在する可変ガルビオンというのはかなり有名で、
ガルビオンのメカデザインをされた大畑晃一氏も持っていて、浅草で手に入れた物だと雑誌のインタビューに載っていたほどでして
浅草あたりで売られていたことは事実として間違いないでしょう。
今でも時々オークションに出てくるのであの品が存在しているという事も間違いないです。
「ガルビオン Tyco」でググるとそれについていろいろ出てきます。
このオモチャに関しては、現在、以下のように口伝されています。
・昔、浅草あたり(玩具問屋街がある)で袋詰めで500円くらいで売られていた。
・ギミック、クォリティがいかにもタカトクらしい出来なので、タカトクが倒産前に生産予定で作ったであろう金型で作られた物と推測される。
・タカトク倒産後に金型を海外メーカーのTycoが取得し少量生産した物が出回った物と言われている。
・このオモチャはTycoによって海外で売られ、さらに向こうではカラバリの赤い「サーカス1」も作られたという噂がある。
ふむふむ。
じゃあそのTycoってのはどこの会社なのか、と調べてみたら、
海外メーカーでTycoという名前の玩具メーカーならば自動車玩具メーカーのTycoが有力…というかそこしかないっぽいです。
てことはどうやらアメリカのTyco toysのことのようっす。
そのタイコってのはアメリカの玩具会社であるタイラーカンパニーのことで、1930年代にHOスケールの鉄道模型から始まったメーカーです。
ミニカーの「マッチボックス」シリーズを売ってた時代もあると言えばピンとくる方も多いかもしれませんね。
今では米マテル社の関連会社となっていて、ミニカーやRCカーやスロットカーといった自動車オモチャで世界的に有名なブランドっす。
しかしこの話でよくわからないのがこのタイコなんです。
今ネットで調べられる限りだとこの完全変形ガルビオンの話には「Tyco(タイコ)」のキーワードがたいてい含まれてます。
逆にTycoを入れないでググるとあのオモチャに辿り着くのが難しいほどです。
またネットに頼らずに専門店やイベントとかでおもちゃマニアの人と話しても、完全変型ガルビオンはTycoのだという話になります。
でも色々調べていくと「Tyco製と言われている」「Tyco製と聞いた」という伝聞ばかりで、検証できる情報元がまったく見付からないんです。
かく言う私も「みんながそう言ってるんだから、そうなんだろう」と思ってTyco製なんだと信じちゃっていたんですが、
調べてみたらソース不明で検証不能という驚愕の事実!(ぇ
これってもう「友達の友達が実際に体験したんだけど」とか言う都市伝説の類ですよね。(´△`;)
ならば実際に確認してみましょう。
メーカー名は、たぶん現物見れば書いてあるはずっすよね。
でも私は現物持っていないので確認することができないため、ズバリ持ってる人にメールで聞いてみました。
これは当時買ったという方からの証言。
「浅草で売ってたのは袋詰めだったからパッケージや説明書はないので商標は確認のしようがない。そもそも商品名すらない。
本体にもメーカー名などの刻印はない。メーカー名を消したような跡ならある」とのこと。
てことで、メーカーは不明、タカトク製と言える証拠すらない、ということだけが確実な事実のようです。
ならばこの品の由来はどうなっているのか、おもちゃ知識に詳しい人達にも聞いてみました。
色々ある諸説を総合してみると3つの説にまとまるみたいっす。
1,発売前にタカトクが倒産したため行き場もなく工場に取り残されたトライ品(テストショット)、あるいは商品見本として作られてあった物が後に放出された、という説。
素材の劣化が激しく製品として耐えられないレベルという点はこういう由来のテスト品だということで説明される。
2,タカトク倒産後に金型の権利が海外メーカーにわたり試験的に作られた物が後に浅草で流出した、という説。
ここでメーカー名が出る場合にはTyco製と言われる。
この説では、海外で販売した、赤いカラバリもある、という海外展開の内容が付随したりしなかったりする。
※Tycoは日本の無名メーカーだとする解釈もありますが、それならばなぜほぼ確実にメーカー名をアルファベットで記述するのかが謎。
3,タカトク倒産後のDXなラインの金型はバンダイが持っている物がある(ビートラス、バルキリーなどで判明している)ので、これもバンダイが作った、という説。
3の説だとなんでわざわざバンダイが売りもしない物を売るほど作ったのか謎。
とは言え金型を持っているかもしれないという可能性を否定する証拠もないので、これは悪魔の証明になりかねない恐ろしい説です。
しかし1,3の説はとっかかりがなさすぎて検証することが不可能なので、2の説を深追いしてみましょう。
2の説だとアメリカのTycoが作ったという話なので、要はその現物を見付けられれば検証完了なわけっす。
カラバリもあるという話なので生産数もそれなりに多いはずでしょう。
わかりやすい!
とりあえず知り合いのアメリカ人で、変型ロボに詳しいトイマニアさんに聞いてみたっす。
どうやら向こうで調べ直してくれたようで数日後にかえってきた返事はこれでした。
「それは少なくともアメリカのTycoの製品ではない。1/48完全変形ガルビオンはアメリカに上陸したことはない。たとえ海賊版や流用商品としてでもね。」
は!?(゚▽゚;)
というか、あれ1/48だったんだ!
調べたら1/48ムゲンキャリバーと同じくらいのサイズらしいから、たしかにそんなサイズ!
さすがマニアの人は詳しいや。(ぇ
ちなみに私は海外サイトや海外オークションで海外おもちゃを探すのもけっこう得意なので、そっち方面からももう何年も調査しているっす。
現在までの結果は、成果無しっす。
SUPERロボCARの海外版であるコンバーターズがまれに上がってくるだけっす。
海外にも熱心な変形ロボ玩具マニアさんは多く、ウェブ上にもかなり貴重な日本製トイの情報や写真が多数アップされていたりするんですが…まったく無し。
ガルビオン関係の掲示板のログを読んでみても、わかったことは少なくとも書き込みのメンバーの中に完全変形ガルビオンを持っている人は一人もいないということ。
完全変形の存在を知っている詳しい人がまれにいますけど、
詳しい人ほどあれが日本ではTyco製と言われていることを不思議に思っている様子が読み取れます。
つまりTycoはアメリカでガルビオンの販売をしたことはなかったということのようです。
てことで2の説の検証もこれ以上やりようがないので終了。
以上から、これまでに導けた結果は暫定的にこうなります。
・完全変型ガルビオン(サーカス1)は浅草で売られた物。
・メーカーについて確実に言える情報は「不明」という事だけ。
・海外で売られたことはない。(パチモノすらない)
・海外メーカー製、Tyco製だという話は日本人の間でだけ言われている。
さらに以上をまとめると「・浅草で売られた袋詰めの物しか存在しない」という可能性が濃厚です。
…あれ?
てことは、Tyco製だって話はマジでどこから出て来たんですか!?(´ロ`;)
そんなわけで、どうにもわからないという事だけはわかった研究でした。
…これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。(ひぐらし風デッドエンド)
完全変形ガルビオンについての情報まとめ
そんなわけでBBSで御提供いただいた情報をまとめてみました☆G(>▽<)
・ ・ ・
いんちき番長さんから、赤い完全変形ガルビオンについて情報いただきました!
ありがとうございます!☆G(>▽<)
むかし都産貿のイベントで、箱入りの赤いのを売っていたディーラーさんを見かけて「ドライブインなどで売られている商品」という説明を受けたそうです。
私が聞いた話だと海外版の赤いカラバリということで、海外版の存在そのものが怪しいのでなんとも怪しい情報だったわけですが、
赤いのが日本で売られた物のカラバリだという可能性は盲点でした。
これの現物が出て来たら(箱入りらしいので印刷などでメーカー名など色々な事がわかる可能性があるので)ガルビオン玩具の知識と解釈が一気に進展する予感!
発見するのは難しいと思いますけれど、今後は気にかけて探してみたいと思います。('▽'*)
・ ・ ・
スタゲほしさんから、TYCO社製と言われる事の出典について情報いただきました!
ありがとうございます!☆G(>▽<)
TYCO製という情報は、徳間書店1998年の書籍「超合金魂
ポピー・バンダイキャラクター玩具25年史」と思われるとのことです。
私は持っていない本でしたのでさっそく取り寄せてみました。
P.17に掲載されている囲み記事の見出しがまさに『ガルビオン(TYCO?)』となっています!濡(゚□゚;)
そしてスタゲほしさんの御指摘どおり、
書かれている内容からすると日本のトイコー(TOYCO)社のことを指していると思われる内容になっています。
(※『「激変ロボ・アストロマグナム」などで知られる』会社だと書かれています。アストロマグナムは日本のトイコー(TOYCO)社の製品です)
しかし記事での社名は『TYCO』と、見出しと文中の計2回書かれています。
となるとこれは誤植ではなく、『トイコー(TOYCO)』の社名を『TYCO(タイコ)』と間違えて書いてしまったか、
あるいはそれら二社を同じ会社だと混同してしまっているのかのどちらかと見て間違いないでしょう。
そしてこの記事の内容が広まり、TYCO製と言われる情報の起点となったと推測すれば、
この情報が伝わっていくうちに、誤記されたメーカー名である『TYCO』そのままの名の海外メーカーが想起され、
「海外メーカー製」、「海外版の存在」という怪情報へと変化、発展していったと推測できます。
いわゆる「噂に尾ヒレが付く」という伝聞変化の典型的なパターンです。
またメーカー名がたいていの場合ローマ字で表記される(=つまり英語圏メーカー?)ということの疑問点についても
『TYCO』と記述されているこの記事の引用とその孫引きだからということで筋が通ります。
ということで、どうやら『TYCOという海外メーカー製』という情報の大元が見付かったような気がします!濡(゚□゚;)
それからせっかくなので同記事の重要な情報を抜粋してみます。
『ガルビオンは当初はタカトクトイスより発売される予定であった。』
『同社の倒産により、製品の型は「激変ロボ・アストロマグナム」などで知られる、TYCOが引き取ったという。』(※トイコーの誤記と思われます)
『数年後の'90年、東京の問屋街を中心に、タカトクトイスの設計とおぼしき、ガルビオンの玩具が出回り始める。』
『いかなる流通ルートを辿ったかは謎のままだ。』
かなりハッキリした内容になっています。
なにより、「アストロマグナム」や「ヨーヨーバイク」のトイコー社がガルビオンの型を引き取った、というところまでわかっていたことはビックリです。
またこの記事が逆算的に示すところとして、タカトクのガルビオンの型は実際に作られてた、そしてその型を引き取ったのはバンダイではない、という事がわかります。
この記事の内容に間違いなければ、前のトップでまとめたマニア間で言われる3種の説のうち、海外版説、バンダイ説が消えて
可能性としては新しくこの2つになるのでしょうか。
・A,タカトク時代のトライ品や見本品が流出した。
・B.タカトク倒産後にトイコーが引き取ったという金型によって作られた。
(※ただその金型で作られたとしても、トイコーからさらに余所に渡った可能性に留意しておくべき)
完全変形ガルビオンのうち、青いのは両者とも可能性あり、赤いのは後者が有力、というところでしょうか。
青いのは実物を検証してもメーカー不明なので、あとはもう当時の事を知っている関係者さんの証言を期待するしかないかと思われます。
赤い方は現物が見付かれば色々と判明する可能性あり、ですね。
何がわかればいいのかが具体的にわかってきたのは大きな進歩です☆('▽'*)
・ ・ ・
このほかにも貴重な情報をお寄せくださった皆様方、ありがとうございましたm(_
_ )m
メーカー不明・商品名不明の怪しい品ということもあってか、調べてもなかなかまとまった情報が得られることのない謎ガルビオンですが
そのミステリアスさとレアさに惹かれる玩具者は今後も後を絶たないでしょう。
かく言う私もその一人でして(^^;ゞ
錯綜、迷走する情報の数々とそれに起因する論争をまとめる役に立てればと、今回一連の記事にしてみたのですが
予想以上のコメントと情報をいただきまして嬉しい限りです。ありがとうございました。
私としましても今後も調べていきたいと思いますので
いつか全ての真実を報告できる日が来ることを願いつつ今回のガルビオン玩具特集を終わりたいと思います。
すべての玩具ファンに幸あれ☆G(>▽<)
完全変形ガルビオンについての情報まとめ2
そんなわけでBBSで御提供いただいた情報まとめ追加です☆G(>▽<)
・ ・ ・
天秤ジジイさんから、同時期の他誌記事について情報いただきました!
ありがとうございます!☆G(>▽<)
「超合金魂ポピー・バンダイキャラクター玩具25年史」の構成・執筆をされたスタジオたるかす・五十嵐浩司氏による完全変形ガルビオンについての記事たちです。
記事内容についてはどう書いたものかとしばらく悩んだのですが、、
抜粋や要約して伝わる内容が変わってしまったり誤解が生じたりしては本末転倒と思いまして、そのまま引用させていただくことにしました。
○
『帰ってきたフィギュア王』 '97.5.20
「ガルビオンのトイは放送中には一切発売されておらず、これは終了数年後に出回ったメーカー不明のトイ。
その作りからタカトクが発売を予定していたものと思われるが、真実は薮の中である。」
『超合金魂』 '98.3.10(例の徳間。内容省略)
『不滅のスーパーロボット大全』 '98.9.25
「当初メインスポンサーのタカトクトイスより発売される予定だった。だがタカトクの倒産により一度は未発売に終わってしまう。
しかしその金型はTOYCOによって引き取られ無版権商品として生産された。
製品自体の完成度は高く、1/48スケールでサーカスIからガルビオンに完全変形が可能となっている。
なお、8cmほどの廉価版玩具も存在し、こちらはセレクトやジャムといった複数メーカーより発売されていた。」
○
天秤ジジイさんの御指摘どおり内容がだんだん充実していくのが興味深いっすね☆('▽'*)
また、時期的に後の出版となる『不滅のスーパーロボット大全』ではTOYCO(トイコー)と書かれていることから、
TYCO(タイコ)と誤記されていたのは『超合金魂ポピー・バンダイキャラクター玩具25年史』だけの可能性が高そうです。
となるとやはり海外メーカーTYCO(タイコ)説はあのコラムの誤記から生じてしまったということでしょうか。
それにしましても『不滅のスーパーロボット大全』での「その金型はTOYCOによって引き取られ無版権商品として生産された」という一節が興味深いです。
文面通りに読めば、あのガルビオンを生産したのはTOYCOだと受け取れるのですが…果たして。
また一歩野望に近付いた!☆('▽'*)(゚▽゚*)
Sijimiya Konoha & Yukaina Brothers. Presents
"Professor Rilalah @General Science
Academy"