ガシャポンHG前夜・暫定版
〜『リアルゴジラ』の系譜〜

HG前☆HG後
「今までの僕がウソのようにモテモテさ♪」と喜びの声、続々!
君も今すぐHGになろう!!
『玩具自動販売機』。
それは古くより、ハンドルを回す販売機構の音を模して『ガチャガチャ』と呼ばれ子供達に愛され続けてきた。
その理由として挙げられるのは、硬貨数枚にて購入できるという経済的な面、そして何が出てくるのかがわからないというギャンブル性、さらにはハンドルを回す時の独特の手応えによる快感(はぁと)。
これらの総合的な、あ〜・・・よく考えるとなにもここでこんなこと論ずる必要はないことにたった今気がついたのでサクサクッと本題にいきましてよ。

さてそのガシャですが、現在ではその高度な完成度とマニアックなアイテム選択により大人ぁな購買層をガッチリキャッチし(子供達おいてけぼりとも言う)、バンダイ社のHG(ハイグレード)シリーズ、ユージン社のSR(スーパーリアル)シリーズ(そういえばガチャンコってどうなったの?(~ ~;))の2大勢力が日夜200円のしのぎをけずったりけずられたりしている。
しかもそこへミレニアムブランドによる18才未満購入禁止な電源有りゲームジャンルをモチーフとした500円硬貨を入れて回す画期的なガシャ、D.G.P(デジタルギャルズパラダイス)シリーズが参戦、けずられたしのぎをさらにけずったりしているところにもってきて、GKメーカーの老舗・海洋堂さんまでがらぶひな出すとか言っていますしーな今日この頃、みなさんガチャガチャと回していらっしゃいますでしょうか。

えー、なんのこったかわかんなくなってきたところでこのコンテンツの主旨ですが、
「今、HGとかSRとか人気でWEB上でも完全リストとかバージョン違いとか実に研究が進んでいらっしゃる。でも、あれ?私が前から回してた頃のゴジラとかって全然フォローされていないんですな。ほら、あのHGに直接つながるそれまでのとは一線を画したあのシリーズが。」
というわけで今のガシャブームを生み出すきっかけとなったHGシリーズ、その誕生の原動力となった『今や謎』のシリーズを、部屋をひっくり返して特集してみます。

あー、でもえらそうに銘打ったわりにいきなり資料が不完全です。
でもとりあえず公開してしまうんで〜暫定版〜ということで(^^;ゞ
 
『リアルゴジラ』
1992年
 
時は1992年、バンダイ社は映画『ゴジラ対モスラ』のプロモーション商品としてガシャポンに『リアルゴジラ』を投入します。

それまでのガチャガチャといえば、キャラクターのデザインラインのみをなぞったものが主で、安価ゆえの少ない開発費のうえに小さいサイズということもあり、なんか変な出来というか妙に頭身がたりないデフォルメ体型になったりしているものがほとんどでした。
そう、キン消しやガン消しを思い浮かべるとわかりやすいですか。

当時バンダイ社はSDガンダムを筆頭とする100円のガシャポンによる1人勝ちの状態で、その圧倒的なノウハウと、行き詰まりつつあったSDシリーズを超える新たな商品をという開拓精神によって生み出したのがこの『リアルゴジラ』であった。
それまでにない100円玉硬貨2枚を投入するマシン、今でこそスタンダードだが当時としては圧巻であった大型カプセル、そして中身はリアルなプルポーションとリアルなディテール、そしてその大きさをウリとする画期的な怪獣フィギアでした。
 
『ゴジラ』!
ブックにはただ『ゴジラ』と書いてあるんで間違いなくただの『ゴジラ』(笑)。
造形や状況からするに(vsキングギドラ1991版)に違いないゾ☆
背ビレが1枚しかない・・・(笑)。
 
『モスラ(成虫)』と『モスラ(幼虫)※2体1組』。
この商品の発売時には言及されていないが『2』のブックによるとこのモスラは(1964版)。
幼虫は口を閉めているのと開けているの、体をひねっているのとまっすぐにしているのの2タイプ。
首でパーツが分かれていて同じジョイントになっているので都合4種の幼虫が楽しめるゾ!
いや、あんまり楽しくないですけど(爆)。
 
メカメカ(≧▽≦)ノ★彡  
左は食玩『DXリアルゴジラ』(1993年、袋入りラムネ菓子・ジオラマベース・ビルなどの模型・怪獣3体入り、500円)に入っていた1の同原型品。ガシャの『リアルゴジラ』と同じ原型を使用しているがこのセットの成型色はガシャでは存在しなかった茶色のみ。
モスラ幼虫は1体のみになっていた。
右写真のクリアのものも再版分。下段参照。

劇場公開当時、成型色がきっちり透明なバージョンも配られたらしいけど、資料ないっすΣ(T▽T)。
 
『リアルゴジラ パート2』
1992年  
『リアルゴジラ』の好評を受け登場したシリーズ第2弾。
第1弾の怪獣がカラフルなクリア成型(赤・黄・青の3色)で再アソートされていた。現在のクリア限定品のハシリ?(笑)

しかしいくらクォリティーがあがったと言っても、当時はまだガシャ=子供のオモチャだったので回すのはかなり恥ずかしかったですともー(゚-゚)~。
もちろん今のようなガシャのセット販売とかなんて概念すらなかったし。
  
地球最大の決戦!
とは言えゴジラは(vsモスラ1964版)(~ ~;)。
造形のレベルは現在と比すればまだまだとは言え、当時の常識を覆すには充分以上の出来。金色成型ギドラの立体構成は素晴らしいの一言。
   
劇場公開に連動し新怪獣バトラも登場。
幼虫のボリュームがスゴイ。
結局このシリーズでは新モスラはラインナップされなかった。
まぁ、この大きさだと初代と区別つかなそうだし(^^ゞ。
 
『リアルゴジラ パート3』
1993年  
シリーズ第3弾。
映画『ゴジラvsモスラ』と『ゴジラvsメカゴジラ』のスキマの時期に発売となったため、新怪獣が入っていないという当時としては珍しい「全然タイムリーではない」ゴジラガシャ(当時は大抵新作の公開に合わせて発売していた)。
しかしこのシリーズ、なぜに必ずキングギドラが入っていますか。てゆーかこのページで紹介してるガシャ全てキンギド在中です。
 
ゴジラは(vsモスラ1992版)仕様。
成型色はビオランテやキングギドラのイメージに合わせたものが使われている。
つまりもちろん金色のビオランテや緑色のキングギドラも混入されていた(~_~;)。
しかし肌色の成型色ってなんで入っていたんだろ。
 
 
↑この回最大のウリ、キングギドラがメカキングギドラにパワーアップする仕掛けだ!
詳しくは右の写真を見て欲しい。商品としては『キングギドラ(1991)』と『ラドン(2代目)+メカキングギドラパーツ』の2つをゲットすると右のパーツが揃う。しかし恐ろしいことに胴体の1パーツ以外は全パーツが差し替えなのだ!(写真では別に用意した緑色のキングギドラの胴体を使用し2体並べている。)
ただ生ギドラの時の胸と足の大穴がちょっと・・・。

余談だが『アクアプラスコレクション』の沙織のコンパチが、後ろ髪の1パーツ以外全部差し替えになってたのを見て、私が「メカキングギドラかいっ!」とツッコミをいれたところ誰一人として判ってくれなかったという青春のあまずっぱい思い出があったりなかったり。ないんかい。
 
こちらは右が『リアルゴジラ パート3』と同じ金型を使用した彩色版で、食玩『ハイパーリアルゴジラ』(1995年発売、200円)のもの。これには袋入りラムネ菓子・ジオラマベース・新宿の高層ビル・キッズ・メーサータンクまでが付属していた。
左はHG版メカキングギドラ。
こちらのスマートで細密な出来もいいが、右の力強い造形は迫力の怪獣アイテムとして見逃せない。色のドギツささえも魅力だ(笑)。
 
『リアルゴジラ パート4』
1993年  
ジョイントパーツを導入し、リアル造形にプレイバリューを与えた意欲作。
ただしその試みは成功したとは言いがたい。もともとが生物的な動きをするモチーフである。小さく固いモデルにジョイントを設けたことにより、リアルさも可動性も生きないどっちつかずの内容となってしまっている。
なおこの回をもって『リアルゴジラ』シリーズは、わずか2年全4弾の幕を閉じる。

ただこの回でこのシリーズ唯一の、カタログにてのアンケートが募集される。内容は以下。
 アンケート1 SDとリアルどちらの怪獣が欲しいですか?
 アンケート2 色はついているほうがいいですか?
 アンケート3 きみのいちばん好きな怪獣を1体書いてください。
質問1,2がその後の展開に対して意味深だと思うのはゲスの勘繰りですか。 
 
ベビーゴジラ発見できず(^^;ゞ
なんか当時、ベビーが嫌いだったんで誰かにやっちゃったよーな・・・。
ゴジラ(1994)は長大なシッポに3つものジョイントを内蔵する。しかし動かすとヤタラと不自然になるぞ。
ジョイントは最近のプライズ景品『スーパーロボット大戦アクションロボ』シリーズのジョイント(大)と同じ物じゃないかな〜? 
 
このように動く。
メカゴジラMK-1は両肩とシッポ付け根に、メカゴジラ(1994)はシッポ付け根にのみジョイントパーツを使う。他は単純に差込み軸を中心に回るだけ。
ちなみにゴジラ、ベビーゴジラ、メカゴジラMK-1は下あごも別パーツとなっている。軸の関係でほとんど動かないけれどんも。
メカキングギドラとラドン(1994)については下段参照。
 
ジョイント分解の図。
メカキングギドラはジョイントの数のわりにパーツ同士が干渉してあまり動かない。

1番右のは劇場でもらえた特典物。ただし出来自体はガシャと全く一緒。しかし種類がゴジラとメカゴジラの2種のみとなっていた。
(私は見た行った時、御覧のとおりゴジラをもらっちゃったんですけどメカゴジはスゴい色だったとの噂あり。)

シッポの分割に注目。あと背ビレはこの時期でも1枚だ。
 
『スーパーリアルゴジラ』
1993年   
このページに紹介した中ではこれだけが100円の商品となっている。
それまでのリアルシリーズをもはるかにしのぐ超リアルプロポーション、アーンド、リアルディテール!
ガシャの行く末を賭けた試行錯誤の連続が見てとれる。

この『スーパーリアル』はシリーズ化されずこの回のみの販売となった。
シリーズ化されていたらやはり『SRシリーズ』と呼ばれることになっていたのだろうか(⌒▽⌒;)
 

なお初代キングギドラはガシャでは最後の商品化(00.05現在)となっている。
2代目がいるってのはイイのか悪いのか(笑)。

※追記※2000年12月に発売になった『HGゴジラ7』にて、遂に初代キンギドがHGシリーズに初登場!
実に7年ぶりのガシャアイテム化!
長かった…。
しかしこれで遂にHGアイテムで地球最大の決戦が再現できますネ!!
 
分解写真。
パーツの精度を上げるために100円ガシャとは思えぬ精密な分割がなされている。
当時は、バンダイはGKをも越える気か!?と戦慄したもの
(この一連のシリーズまではパーツを分割しない一発抜きが当然だった〔武器などのアタッチメントは除く〕)。
しかしバラゴンの耳は紛失しやすくベリーデインジヤラァスだ。
 
『HGシリーズ ゴジラ』
1994年  
そして翌年、それまでの実績を生かしつつ消費者のニーズを分析した結果、バンダイ社は会心の一作を世に放つ。
200円のビッグスケールで贈る、リアル造形・フル彩色という画期的なガシャポンの革命児。
その名をHG(ハイグレード)シリーズ!
 
フルカラーではあるものの、テカテカの艶ありでなんともオモチャ然とした当時のコンプセット。のちに登場した再版分では艶なしに変更され落ち着いた仕上がりとなっている。
ちなみにこのシリーズにてはじめてゴジラの背びれが3枚に分割成型される。それまでのは背中にパーツ1枚の背びれをさすだけだったのだ。

余談だが、流れ的に『HGシリーズ ゴジラ』をココにポンと出しましたが、これはHGシリーズ第2弾として94年12月に登場。第1弾はこの3ヶ月前の9月に発売された『HGシリーズ ウルトラマン』だった。
 
そしてこれ以降、ガシャポンは飛躍的にその完成度を高めていき、子供達のオモチャから大人達の嗜好品へとそのニーズを変え、今日のようなガシャラー隆盛の時代を築くこととなる。

・・・さて、以上がHGシリーズ誕生までのリアル系ガシャの流れです。
HGシリーズ以前の塩ビガシャ人形はほとんど語られることがありませんが、『リアルゴジラ』は非常に意欲的でユニークなシリーズであり、またHGシリーズに直接つながる重要なシリーズだと思っています。このページを見てそんなものもあったのかという程度にでも認識していただけければ幸いです。

またこれ以降のHGの展開は各所のデータベースで詳細なものを見られますし、私もそう詳しくはないのでこのへんで筆を置くことといたしましょう。 ながらくおつきあいありがとうございました。<(_ _)>
あ、でもまだいらんこと言いが続きます(笑)。
 
ちなみにこの『スーパーリアルゴジラ』、『HGシリーズゴジラ』が登場した時期、『F・B(フューチャーブーム)コレクション』という名の、たしかSDシリーズとしては初のフル彩色仕様にて、ゴジラシリーズが登場している。これはパート3まで販売された。
(※ちなみにガシャポンで初めてフル彩色仕様での販売となったのはキーチェーン付きセーラームーンマスコット『セーラースイング』(1993年)。)

それまでのSDのアイテムは「無彩色塩ビ人形・2体1セット・シール等オマケ付きの場合もあり・100円」という販売形態だったが、1992年の『SDゴジラ』と1993年『SDゴジラPART2』にて従来より大型である無彩色塩ビ人形1体のみという販売形態が登場(2体1セットの商品でも同名の『SDゴジラ』〔1992年販売〕が存在する)。
そしてこの『F・Bコレクション』ではさらに進化した形である「彩色済塩ビ人形1体100円」となるのだ。
このシリーズの後、SD怪獣は「彩色済ソフビ人形」へとその形式を移行していくが、「彩色済塩ビ人形1体100円」という構成は現在の『SDガンダムフルカラー』シリーズへと継承されることとなる。
 
ここで紹介した各ガシャの『ゴジラ』、サイズ一覧

『リアルゴジラ』59mm
『リアルゴジラ パート2』61mm
『リアルゴジラ パート3』59mm
『リアルゴジラ パート4』60mm

『スーパーリアルゴジラ』56mm

『HGシリーズ ゴジラ』
70mm
 
ちょっと比べてみたりとか『リアルゴジラ』の名を継ぐものとか、キャラフルワールドとか』のコーナーへ。


このコンテンツの内容は当アカデミー独自の資料と見解によるもので、株式会社バンダイとは一切関わりありません。
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